やらせるか、休ませるかではなく 小さく始める学習支援

学習への苦手意識や疲れが強くなると、宿題やプリントを見ただけで動けなくなったり、「やりたくない」と避けたりすることがあります。

そのようなとき、「最後までやらせる」か「今日は全部休ませる」かの二択ではなく、本人が取り組める大きさまで課題を小さくし、少しずつ成功体験を積み重ねていく方法があります。

今回は、学習への回避が続いていたお子さんに対して、家庭や関係機関と相談しながら行った支援についてご紹介します。

検査結果と普段の様子を支援の手がかりにする

学習への取り組みにくさには、理解度だけでなく、注意の持続、記憶の仕方、見通しの持ちにくさ、疲れや不安など、さまざまな要因が関係します。

そのため、検査結果の数値だけで判断するのではなく、学校や家庭での学習状況、本人がつまずきやすい場面、取り組みやすい方法などを確認しました。

必要に応じて、医療機関への相談や、検査を担当した心理職から詳しい説明や助言を受けることも保護者に提案しました。関係機関から得られた情報を、実際の支援方法につなげていくことを大切にしています。

「数枚だけ」から始める

事業所の利用当初は、まず本人が興味を持っている運動や好きな活動から始めました。

場所や職員に慣れてきた段階で、保護者と相談し、本人の理解度に合う算数ドリルを一緒に検討しました。

取り組む量は、最初から一つの単元すべてではなく、数枚、あるいはその日の状態によっては数問だけです。

大切にしたのは、量をこなすことよりも、無理のないところで「今日はここまでできた」と終えられることでした。少ない量でも最後まで取り組めた経験が、次の一歩につながります。

好きな活動を「見通し」として示す

事業所では、到着後に短時間ドリルへ取り組み、その後に本人が好きな運動や活動を行う流れを少しずつ整えました。

これは、好きな活動で本人を無理に動かすことが目的ではありません。

「ここまで取り組んだら、次は好きな活動ができる」という分かりやすい見通しを示すことで、学習を始めるときの心理的な負担を小さくし、取り組めたという達成感につなげるための工夫です。

できなかったときに好きな活動を取り上げるのではなく、その日の疲れや状態を見ながら、課題の量や進め方を調整しました。

家庭でも続けられる方法を一緒に考える

事業所の中だけで取り組めても、家庭で同じ方法をそのまま実施できるとは限りません。

そこで保護者と相談し、家庭で無理なく続けられる課題量や声かけ、取り組む時間について考えました。

また、本人の頑張りを見える形にするため、家庭の方針に合わせて、ポイントやお小遣いなどを活用する方法についても話し合いました。

結果や正解数だけを評価するのではなく、

  • 決めた時間に机へ向かった
  • 数問だけでも始められた
  • 分からないと伝えられた
  • 途中で投げ出さず、決めたところまで取り組めた

といった過程を認めることが大切です。

本人に合うスモールステップは一人ひとり異なります。事業所だけで決めるのではなく、本人と保護者の思いを確認しながら、その時点で実行できる方法を一緒に考えていきました。

「学習できる状態」を整えることから

学習を避けているように見える行動の背景には、「分からない」「失敗したくない」「疲れている」「どこまですれば終わるのか分からない」といった気持ちが隠れていることがあります。

無理に量を増やすのではなく、課題を小さくする、終わりを分かりやすくする、本人に合う覚え方や学び方を探すことも学習支援の一つです。

natural stepでは、検査結果や日頃の様子を踏まえながら、家庭や学校、必要に応じて医療・心理などの関係機関と連携し、お子さまが「これなら始められそう」と思える方法を一緒に考えています。

学習や宿題への取り組みにくさ、不登校や登校への不安について、保護者のみのご相談も受け付けています。お気軽にお問い合わせください。