「ちょっとしたことで怒る」
「すぐに泣く」
「兄弟げんかが絶えない」
「学校では頑張っているのに家で爆発する」
このような相談を受けることがよくあります。
保護者の方は、
「わがままなのかな?」
「甘やかし過ぎたのかな?」
と自分を責めてしまうことも少なくありません。
しかし、子どものイライラには本人の性格や甘えだけでは説明できない理由が隠れていることがあります。
まずは「脳の状態」を一緒に考えてみましょう。
① 睡眠不足は心の余裕を奪います
睡眠は脳と体を休ませる大切な時間です。
睡眠不足になると、
集中しにくい
感情をコントロールしにくい
小さなことで怒りやすい
不安が強くなる
などの変化が現れます。
特に小学生・中学生では、一般的に8~10時間程度の睡眠が推奨されています。
「寝ている時間」は十分でも、
夜遅くまでゲームや動画を見ている
寝つきが悪い
夜中に何度も目が覚める
などがあると、睡眠の質が低下し、十分に疲れが取れないことがあります。
朝から
「眠い」「だるい」「ボーっとする」「学校に行きたくない」と言う場合は、
睡眠を見直してみることも大切です。
② 脳疲労がたまると感情も疲れてしまいます
私たちは体だけでなく、脳も疲れます。
学校では、
授業
人間関係
音
光
ルールを守ること
など、多くの情報を処理しています。
特に発達特性のあるお子さんは、一日中たくさんの情報を処理しているため、
夕方には脳が疲れ切っていることがあります。
すると、家で急に怒る
泣く
兄弟に当たる
何もしたくない
という姿が見られることがあります。
これは「家だから安心して感情が出せる」という面もあります。
③ 感覚過敏がイライラにつながることもあります
人によっては、
教室の騒がしさ
友達の声
エアコンの音
服のタグ
におい
強い光
などが、とても強い刺激として感じられることがあります。
周囲には分かりにくいため、
「我慢が足りない」と思われてしまうこともあります。
しかし本人にとっては、一日中大きなストレスを感じながら生活している場合があります。
感覚の特徴を理解すると、環境を少し整えるだけで落ち着くことも少なくありません。
④ ストレスは「行動」として現れることがあります
子どもは大人のように、
「今日は疲れた」
「人間関係で悩んでいる」
と上手に言葉で伝えられないことがあります。
その代わりに、
イライラする
暴言を言う
泣く
物を投げる
無気力になる
学校へ行きたくないと言う
などの行動として表れることがあります。
まずは、
「どうしてそんなことをするの?」
ではなく、
「最近、何か疲れることはなかったかな?」
という視点で見てあげることが大切です。
家庭でできる3つの工夫
① 睡眠を整える
まずは十分な睡眠時間を確保し、寝る前はゲームやスマートフォンを控えるなど、眠りやすい環境を整えましょう。
② 疲れをため込まない
学校から帰ったら、すぐに宿題ではなく、10~20分ほど好きな遊びや静かな時間を取り入れるだけでも気持ちを切り替えやすくなります。
③ 「怒る前」のサインに気づく
怒りが爆発した場面だけを見るのではなく、
あくびが増える
無口になる
「疲れた」と言う
ボーッとする
落ち着きがなくなる
など、前兆に気づけると、早めに休憩を取ることができます。
まとめ
子どものイライラは、決して「甘え」だけではありません。
睡眠不足や脳疲労、感覚過敏、ストレスなど、さまざまな要因が重なって現れることがあります。
大切なのは、行動だけを見るのではなく、
「今、この子の脳や心はどんな状態なのだろう?」
という視点を持つことです。
原因が分かれば、関わり方や環境を少し変えるだけで、子どもが安心して過ごせるようになることも少なくありません。
困ったときは一人で抱え込まないでください
お子さんのイライラが続くと、保護者の方も心身ともに疲れてしまいます。
当施設では、お子さんだけでなく、ご家族の困りごとも一緒に整理しながら、お子さんの特性や生活環境に合わせた支援を考えています。
「うちの子の場合はどうなんだろう?」と感じたら、お気軽にご相談ください。
